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弁栄聖者の俤(おもかげ)24

◇〈聖者ご法話〉 聞き書き その一(別時の説教) 自分は高等学校の入学試験に苦戦して以来、神経衰弱で、そのため記憶力が弱く、あたら説教を忘れては惜しいと思い、常に弁栄上人のお言葉を書きとどめ、以て後日に備えた。それが今、

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弁栄聖者の俤(おもかげ)23

中井常次郎著『乳房のひととせ』上巻より その2 ◇初夢  夢に俗夢と霊夢とある。意識眠って心が日頃親しめる境界に遊び、あさましき事、あるまじき事などを見るは俗夢にして、赤裸〈つつみかくしのない裸〉の自分を知る便となる。

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弁栄聖者の俤(おもかげ)22

中井常次郎著『乳房のひととせ』上巻より その1 はしがき  弁栄上人に依って、みたま〈御霊〉の乳房を恵まれた自分は、西本願寺派の門徒、篤き信者の代々続く家庭に育てられた。父母が朝夕のみほとけへのおつとめに誘われ、としより

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弁栄聖者の俤(おもかげ)21

熊野好月著『さえられぬ光に遇いて』15 随行記(つづき)  寺内の方々の連日連夜の御看護のおつかれをしばらくでも代わらせて載きたく、早速お枕辺に侍する事になり、お念仏申し申しむくんでいるお足をおさすりしたり、氷のうをかえ

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弁栄聖者の俤(おもかげ)20

熊野好月著『さえられぬ光に遇いて』14 随行記(つづき)  佐々木上人様や大谷象平様が引きつづきお供を遊ばしてかの長野での御いたましい御苦労もこの御旅の途中であったと承りました。 聖者かねてよくこのように仰せられました。

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弁栄聖者の俤(おもかげ)19

熊野好月著『さえられぬ光に遇いて』13 随行記(つづき) 後の百万遍知恩寺の御法主桑田寛随上人はその当時、知恩院の法教課長の要職にあられながら常に私共在家のものの集りにも御出席下され、礼儀もわきまえぬものをも寛容の心をも

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弁栄聖者の俤(おもかげ)18

熊野好月著『さえられぬ光に遇いて』12 随行記(つづき) いよいよ長らくの御随行も今宵限り、明日は恒村夫人のお供をして京都へ帰る事になりました。中井先生、松井様は山の別時がすむとまもなく先に帰京なさいました。朝夕御いつく

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弁栄聖者の俤(おもかげ)17

熊野好月著『さえられぬ光に遇いて』11 唐沢山別時にて お上人様を中心にした広間では色々面白い問答がかわされておりました。ある人、 「お上人様あなたのお眼にはひとみが二つ重っていて、日中の太陽でも平気で御覧になれるとかき

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弁栄聖者の俤(おもかげ)16

熊野好月著『さえられぬ光に遇いて』10 随行記(つづき) こうして信仰上のお育ても、聖者御自身のお考えで引きずられるような主義でなく、ひとりでに悟り、精進せずにはいられぬ様にお仕向けになるのでした。その頃一にも二にもデモ

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弁栄聖者の俤(おもかげ)15

熊野好月著『さえられぬ光に遇いて』9 随行記(つづき) 仮の画室にあてられた庫裡の二階、そこは二十帖程の畳がしかれて学園の教室に続いていました。明け放たれた窓からは相模の川風が新鮮な緑の樹蔭を通って惜げもなく吹きこんで来

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