ヒロくんとお父さんは食べものに困りスイカ畑へいきました。 そして、畑の通路のこかげにヒロくんをかくれさせ、 「いいか、だれか人がこないか、ここでちゃんと見張っているんだぞ」 そういうと、お父さんは畑の奥に入っていきました…
ヒロくんとお父さんは食べものに困りスイカ畑へいきました。 そして、畑の通路のこかげにヒロくんをかくれさせ、 「いいか、だれか人がこないか、ここでちゃんと見張っているんだぞ」 そういうと、お父さんは畑の奥に入っていきました…
あるところに、お父さんと 小学生の息子「ヒロくん」の親子がいました。 親子はお寺に時々おまいりし、 手を合わせ「なむあみだぶつ」とお称えしたり、 仏教の歌を歌ったりするのが大好きです。 そのお父さん、悲しいことに、 いま…
熊野好月著『さえられぬ光に遇いて』12 随行記(つづき) いよいよ長らくの御随行も今宵限り、明日は恒村夫人のお供をして京都へ帰る事になりました。中井先生、松井様は山の別時がすむとまもなく先に帰京なさいました。朝夕御いつく…
信仰において大切なことの一つは、その型です。 例えば、車のおにぎりの型にご飯を詰めると車の形をした、おにぎりができあがります。しかし、いびつな型にご飯を詰めますと、出来上がった、おにぎりもいびつなものになってしまいます。…
「ピンポーン」家のインターホンが鳴りました。 お母さんが「どちらさんですか」 とたずねると、外のお兄さんが、 「こんにちは、宅配便です。お荷物おとどけにまいりました」 ドアを開けてみると、 ダンボールをもった宅配便のお兄…
熊野好月著『さえられぬ光に遇いて』11 唐沢山別時にて お上人様を中心にした広間では色々面白い問答がかわされておりました。ある人、 「お上人様あなたのお眼にはひとみが二つ重っていて、日中の太陽でも平気で御覧になれるとかき…
今日は中島敦著『狐憑』を読みました。 ホメロスと呼ばれた盲人のマエオニデェスが、あの美しい歌どもを唱ひ出すよりずつと以前に、斯うして一人の詩人が喰はれて了つたことを、誰も知らない。 で終わるこの作品は、「人類最初の詩人の…