あなたも仕事のうえで、専門用語を無意識に使っていませんか。相手が大人ですと、わからなくてもわかったふりをして聞いていることがあるので、自分では「相手に理解してもらえている」と勝手に思い込んで説明をしていたが実はまったく伝わっていなかった、ということもあるものです。
わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)
by 池上 彰
池上彰さんの解説は非常にわかりやすいと思っていたので、布教にその技術が生かせるのではないかと思い本書を購入しました。
専門用語を客観的に把握するための1つの方法として、自分の布教の原稿を校正ソフトウェアで解析させてみました。
すると、(校正ソフトウェアが用いている一般的な)「辞書に登録されていません」という用語の指摘が多くあります。
その中のほとんどは、布教中にきちんと説明するのですが、問題はその指摘数の多さです。
今年1月の布教の準備のために用意した原稿では、7種類の用語が指摘されました。
これでは、たとえきちんと用語の説明をしたとしても、難しい話という印象を与えたに違いありません。
また、校正ソフトが指摘しないとしても、やはり難しい用語があります。
私が所持している仏教書を数十冊スキャンしてOCRでテキスト化し、2文字以上の漢字が続く用語を抽出して頻出順にならべてみたところ、
「如来」という文字が、もっとも使われている2文字以上の用語で、1000件以上ありました1
この如来という用語は一般的な辞書にも記載され、私もよく布教に使うものですが、
聴聞の方は、「如来」といわれてもあまりピンとこないのではないかと思いました。
このように考えてみると、今までは布教の内容をかんがえるだけで、いっぱいいっぱいでしたが、もっとわかりやすさを追求する事の大切さを痛感しました。
そういえば、ある時、
少し難しかったですが、ありがたいお話ありがとうございます
と言われたことがあります。
あの時もっと真剣に、「少し難しかったですが」という言葉を受け止めていくべきであったと反省しています。
- 私がもっている仏教書ですので他の僧侶の蔵書ではきっと違う結果になったと思います。 [↩]
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