仏教に携わっている人の中には「仏」という字を用いず「佛」という字をこだわって使う方が多くいます。
「仏」は「佛」の略字だから失礼にあたるという認識から「佛」にしているのだろうか、と漠然と認識していましたが、講談社の「本」の今月号に面白い記事を見つけました。
昔の中国の仏教徒が「佛」「佛陀」を「ム」「仏」と書いたのも、「佛」「佛陀」と直称することをはばかって、「あのかた」の意味で「ム」「仏」と書いた、避諱1心理のあらわれである2、というのが張湧泉の考えです。
「本」(講談社 読書人の雑誌2 第38巻第2号(通巻439号)」所収
漢字雑談35「六世紀の略字」by 高島俊男
日本語では、新字体として認識されている「仏」という文字ですが、中国ではそのような意図で使われていたと思うと考えさせられます。私の宗教観ではやはり、「ほとけ様」は、どこまでも高い存在でありながら、やはりどこまでも身近な存在と感じます。
「仏」を「佛」と表記することは、単に「佛」が正字だからという理由だけではなく、「仏」と表現してしまうと昔の中国では避諱にあたり、結果として身近さを失ってしまうとするならば、「佛」という字により愛着を感じてしまいます。
コメントを残す