自閉症とマインド・ブラインドネス01

人間が心を読むシステムの分離した4成分

  1. 意図の検出器(ID)
    Intentionality Detector。心の状態を読むために現代人の乳幼児に生得的に備わっている行動の一部。視覚と触覚と聴覚で働く。欲求や目的という意図的な心の状態の観点から刺激を解釈している。
  2. 視線の検出器(EDD)
    Eye-Direction Detector。現代人の乳幼児が進化による賦与の一部として有している仕組み。行為者が何を見ているかという観点から刺激を解釈している。
  3. 注意共有の仕組み(SAM)
    Shared-Attention Mechanism。三項表象を形成する。[行為者/自己‐関係‐ (自己/行為者‐関係‐命題]。例えば[ママは -見る- (私は -見る- バス)] 。
  4. 心の理論の仕組み(ToMM)
    Theory-of-Mind Mechanism。は行動からすべての心の状態を解釈するためのシステム、すなわち「心の理論」を用いるためのシステム。

『自閉症とマインド・ブラインドネス』サイモン バロン=コーエン (著),
長野 敬 (翻訳), 今野 義孝 (翻訳), 長畑 正道 (翻訳)

人間には、心は見えません。しかし人間は人の心を読むことができます。サイモン バロン=コーエンによれば、それは人間が生得的にもっている4つのモジュール(装置)のはたらきであるといいます。
これらのモジュールは親とのふれあいの中で発達していくのでしょう。
ただ、自分の子供がイナイイナイバーを好むのは、EDDというモジュールを生得的にもっているからだと言われると、なんだか人間を機械のようにみていてさみしい気がするのも事実です。

カテゴリー: 勉強, 読書

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*