ご回向いたしましょう

今年は、法然上人が亡くなられてから八百年、大遠忌(だいおんき)の年にあたります。法然上人は、その御遺訓(ごゆいくん)の「一枚起請文」の中で、どんなに学んでも「一文不知」であると反省されております。
東日本の大震災の報道を見て、私達は「大震災」の事がわかったと思いがちです。しかし大震災を自ら経験した人と、していな人では、大きな差があります。実際被災した人にしか分からない苦しみ悲しみがあるのです。せめて、自らの身に置き換えて思いやりの心をもって接していくのが大切だと思います。
金銭的な支援も大切なことですが、心の支援もまたなによりも大切な支援の一つです。私達はよく、「受け止め方次第で人生は変わる」と言います。しかしたとえ、冷たい氷を温かな火と受け止めても、私達の体は温かくはなりません。それと同じように、辛い体験や心の傷は、そのままでは心を癒してはくれません。
御忌法要では、私達がお念仏をし、その功徳を被災者に回向(回し向ける)することによって、阿弥陀様の温かな光を被災者の方々に届けていきたいと思います。生きた人にも亡くなった人にも届く温かな光が一人でも多くの方々に届くように、そしてまた私達の思いやりの心が育っていくように、お念仏をしたいと思います。皆様の御参詣をお待ちしております。

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